「就活」を振り返る
さて、就職活動もひと段落した段階で、26卒が「新卒就活」について振り返ってみたいと思う。就活でしくじった私のエピソードを通して、就活生の方の参考になれば幸いである。
まず、私の属性について軽く紹介。中堅大学文系、課外活動:文化部、バイト:塾、ゼミ:○、資格:なし、性格:友達がほとんどいないコミュ障。
大学入学以前「就活」への恐怖心
私は昔から就活に対して恐怖心を持っていた。自立した大人、そして社会人になるのに必須の儀式である就活は、一般的な大学生であれば誰もが通る道だ。私はもともと大人になることに対して悲観的であった。というのも、思春期の自分には、自分自身がちゃんとしっかりとした大人になった姿を全く想像できなかったからだ。こんな人間でも大人になれるのか、生きていけるのかという漠然とした不安が思春期から存在していた。そして、この不安はものの見事に的中する。自分が思春期に考えていた通りの現実に直面するのだった。
大学3年生の春・夏
大学1、2年生を適当に過ごし、大学3年生となった春。近年は就職活動が早期化しており、3年次の春から夏インターンシップの募集が開始し、実質的には就活が始まる。3年生から就活はスタートなんだとキャリアセンターに口酸っぱく言われたのだった。私も頭では就活について何かしらの行動を取らないといけないということは分かっていた。ただ、行動には移さなかった。大学の講義や新しく始めたバイトでの忙しさを理由に、就活を後回しにしたのだ。6月はライブへの参加などを理由にほとんど何もしなかった。蒸し暑くなった7月からは、さすがにインターンシップとやらに応募しないとまずいということを自覚し始めた。7月中旬にもなると多くの企業の夏インターンシップの応募は終了していた。仕方なく、応募できる企業を探してエントリーすることにした。
インターンシップ参加にあたってまず直面したのが、「どの業界・企業に応募するのか」である。自分がやりたい仕事、働きたい業界が決まっていれば楽ちんなのだが、やりたいことなど微塵もない私のような人間にとっては大きな壁だった。壁だと捉えたのが間違いであったことには後で気づいた。夏インターシップの段階で業界を絞る必要はほとんどないのだ。出遅れているにも関わらず、業界を絞ることを優先していた。考えた結果、マスコミ業界に挑戦してみることにした。理由は単純だ。マスメディアを通して社会課題の解決に寄与できると考えたためだ。欺瞞に満ちた薄っぺらい理由のようだが、本心ではあった。
マスコミを中心に何社か応募した結果、書類選考を通過した1社の面接を受けることになった。その会社は日本でも入社難易度がトップクラスに高い新聞社だった。私は人生で面接を経験したことがなかった。面接っぽい経験は学校の三者面談ぐらいであり、フォーマルな面接は初めてだった。大学の試験期間が終わったばかりの時期に、ほぼ全く練習をせずに人生初の面接に臨んだ。結果、惨敗した。無論、当然の結果だった。オンライン面接だったが、緊張で頭は回らず意味の分からない話を話していた。面接官は非常に優しかった。面接官が優しく寄り添うような話し方、表情をしていたら、確実にその面接は失敗していると後に学ぶことになる。
3年時の夏期休暇:4社のインターンに参加
夏期休暇では最終的に4社のオープンカンパニー・インターンに参加した。参加したどの企業のインターンも参加難易度は非常に低いものであった。今思えば、あのときにもっと多くの企業、そして多種多様な業界に応募しておけばよかったと後悔している。3年次夏のインターンは早期選考に呼ばれたり、本選考で優遇されるなどの参加特典があるため、超重要なのだ。
焦りを感じ始めた秋:1社の本選考の面接に挑む
9月に入り、季節も秋になるとさすがに焦りが出てきた。マスコミを中心にエントリーしたが、ことごとく書類選考で不合格。マスコミはインターンシップ選考で適性検査を課す企業は少ない。その代わりに重きを置かれているのがESだろう。マスコミは採用人数が少ないため、入社難易度が非常に高い業界だ。業界を一個に絞るのは危うかった。
そんな中、夏期休暇中のインターンに参加した1社から早期選考の案内が来た。正直、早期選考の時期が早すぎて衝撃を受けた。26卒の早期化の波を強く感じた。その企業の選考では、ほぼ初めてやった適性検査を通過し、10月上旬にオンライン面接を行った。結果は不合格。今回は忙しいなかでもほんの少し練習して挑んだが、本番はボロボロだった。一次面接であったため、ガクチカを中心に問われたが、その回答がダメダメであった。端的に言えば、「自分がやったこと」ではなく、「先輩がやったこと」をガクチカで話してしまった。ガクチカとして話すネタがなかったというのが正直なところだった。ないならば、ないなりに少しの誇張、または嘘を混ぜて話すべきだっただろう。なんと私は馬鹿正直に本当のことをペラペラと話していた。「この学生、受かる気ないだろう」と思われてもおかしくないほどの愚かさである。この企業の選考を終えて、就活の難しさを痛感したのだった。
方向転換の冬:全く見ていなかったIT業界を目指し始める
10月、11月と冬の気配を感じる季節となった。この時期に就活で大きな方向転換を行った。今まではマスコミを中心に見ていたが、今まで全く見ていなかったIT業界を見るようになった。きっかけはキャリアセンターでの相談だった。何か自分に向いている業界はないかと相談したところ、IT業界が向いているのではというアドバイスをいただいた。特にやりたいことなどなかったため、IT企業にたくさんエントリーをして、オープンカンパニーに応募していった。IT企業は数が多く、インターンの参加に適性検査や書類審査を課さない企業もあったため、そうした企業のインターンに何社か参加した。これが後の私を大きく助けることになった。インターンが授業に重なることも何回かあり、そのたびに早期化する就職活動への嫌悪感を感じていた。馬鹿真面目に講義を受ける自分は馬鹿かもしれないと思ったりもした。
地獄の1月:インターンに、早期選考に、卒論に、試験も
そしてついに2025年を迎えた。1月は正直地獄であった。なぜなら卒業論文を終わらせる必要があったからである。卒論に加えて就活、大学の試験勉強が重なり、多忙を極めていたと思う。幸い、私が所属していたゼミは緩かったため、卒論は早々に書き上げて提出することができた。1月の下旬は大学の試験期間と早期選考の応募が重なった。学生のことを全く考慮していないスケジュールだなと感じたものだ。大学の試験を受けつつ、ESを書いた。私は応募する企業が少なかったこともあり、1月をどうにか乗り越えることができた。
説明会に追われた2月:就活が本格化
まだまだ肌寒い2月。ついに就活が本格化してきた。政府の公式的な就活スケジュールは3年次の3月に本選考解禁だが、これが形骸化していることは先述した通りだ。2月は政府のスケジュールでは本選考が始まっていないはずだが、この時期から本選考の説明会や本選考応募が急増する。2月は1日1回は説明会が入っているというようなスケジュールだったと記憶している。本選考解禁前最後のインターンも行われた。ついに就活の本番が始まったんだということを否が応でも実感させられた。IT企業を中心に多くの会社の説明会に参加していった。また、早期選考の面接も2月から始まり、何社か受けた。
本選考解禁の3月:不安で頭がいっぱい、勝負のとき
ついにやってきた3年次の3月。この時期が精神的に一番厳しかった。2月時点での内定率が報道され、50%以上というあまりの内定率の高さに私は焦燥感と不安でいっぱいになっていた。3月上旬は食べ物が喉を通らない日が何日もあった。本選考にエントリーしても適性検査や書類選考でほとんどの企業でお祈りをされた。そんな中でも何社かは面接に進むことができた。3月は月から金まで毎日面接がある週や一日で2社の面接を受けることもあった。3月中旬から下旬にかけて最終面接に進む会社も片手で数える程度あり、正念場だった。そして、なんとか誕生日の次の日に初めて内定をいただくことができた。内定をいただいた時は嬉しすぎて、電話が終わったあとにジャンプしてしまった。結果的に3月で2社から内定をいただき、これで就活はほとんど終了することになった。
落ち着いた4月:心にゆとりが生まれる
3月中に内定を得ることができたこともあり、新しく本選考にエントリーすることはなくなった。4月は面接の予定がある会社を2社受けた。どちらも大企業であったが、実力不足もあり、最終面接と二次面接で落ちてしまった。その2社に落ちて以降、就活のやる気はなくなってしまった。今振り返ると、このときにまだ本選考エントリーすべきだったと感じている。私は「絶対にここに行きたい」という企業が存在しなかった。実際、ある程度規模が大きく安定している会社から内定を貰えればそれでいいというのが本心だった。ただ、内定をもらって一定期間経つと感じてくるのだ。「本当にこの会社に決めていいのか?」と。いわゆる内定ブルーだ。私は内定ブルーとなり、新たにITの大企業数社に本選考エントリーした。しかし、結果は見るも無惨な惨敗。書類・適性検査で全て落ちてしまった。私は就活を始めてからというもの、SPI対策をあまりしてこなかった。数学が嫌いすぎて、勉強したくなかったからである。数学の勉強から逃げてきたつけが、ここで回ってきたのだった。正直、3年夏の段階でSPI対策に本腰を入れていれば、本選考でここまで適性検査落ちすることはなかっただろう。これは完全に自分の失態だった。ただ、これが自分の実力であり、現実なんだと受け止めた。
現在は(4年の6月)、今の内定先に納得している。この時期になると、応募できる企業も大企業を中心に少なくなってくる。新たに本選考エントリーしてもよいが、通過する可能性は非常に低いものだろう。そのため、現在は98%就活は終了という心境である。
27卒に伝えたいこと
就活を経験して27卒に伝えたいことは、「その時やるべきことに着実に取り組め!」ということだ。抽象的な表現になってしまうが、これに尽きる。具体例として、私が失敗したSPI対策を挙げたい。多くの学生は夏インターン応募の際に初めてSPIを解くことになるだろう。その際、しっかりと勉強時間を確保してSPI対策に時間をかけたい。SPIは本選考でも重要であり、早くに対策しておいて損はないからだ。夏インターン応募の時期は夏インターン対策に、早期選考の時期は早期選考対策に全力で取り組む。これが大切だ。インターン選考と本選考でやることはほとんど変わらない。よって、その時やらねばならぬことに着実に取り組む。これができていれば、きっと大丈夫だと思う。
27卒への具体的なアドバイス
最後に上から目線で恐縮だが、27卒の就活生の皆さんへ3点ほど具体的なアドバイスをしたい。まず1点目は、「3年夏の段階では業界は幅広く見よう」だ。就活生がよく陥りがちな失敗が「早い段階で業界を絞りすぎること」だ。マスコミや食品メーカー、出版などは採用数が少なく、難易度の高い業界であることは明確である。よって、特定の業界に絞って就活をすると、全落ちしてしまう可能性もある。そのため、少なくとも夏の段階では業界は幅広く見るべきだろう。夏は採用数の多い業界(金融やSIer)のインターンにエントリーしておいて損はないと思う。
2点目は「面接で話せるガクチカがないなら、新しく何かに取り組もう」だ。このアドバイスは私のような完全無気力で学生時代に何もしていない学生に向けてのものだ。選考のES及び面接では、学生時代に頑張ったこと、通称「ガクチカ」が必ずといっていいほど聞かれる。そのため、ESに書けるような経験がない学生は詰むのである。そういった学生に対しては、自分が言うのもおこがましいが、何か新しいことに取り組むことを勧めたい。具体的にはアルバイトやサークル活動がおすすめだ。アルバイトやサークルに取り組むことで、ガクチカとして話せるエピソードを見つけることができるだろう。ガクチカを通して、自分はこうした役割を果たせる人間だというのを伝えられるようにしたい。
よくガクチカで嘘を話す就活生がいるが、それは辞めたほうがよい。深堀りされたときにスラスラ話せる頭の持ち主であれば大丈夫かもしれないが、ほとんどの人は嘘を深堀りされた時に上手く話せない。誇張するのはまあ良しとして、エピソード自体を捏造するのは本当によくない。ガクチカとしての強い弱いはあるかもしれないが、本当のことを言うのが学生にとっても安心だろう。3年次で今まで何もしてこなかった学生はぜひバイトしてほしい。少しは話せるエピソードが見つかるはずだ。
3点目は「できるだけ早い時期から就活を始めよう」だ。ここまでインターンの重要性などについても言及してきたが、やはり早い時期から始めることが重要だ。特に近年は企業による選考活動の早期化が著しく、3年次の春から就職活動を始めることが一般的となっている。私自身、3年次の春から始めるべきだったと後悔している。夏インターンシップの応募は6月が佳境を迎えるが、最近は5月締切の企業も増えているはずだ。早期選考や本選考優遇などの特典を得られるインターンシップは学生にとって非常に魅力的であるため、できるだけ早い時期から就活を始めて選択肢を多くしたい。
早い時期から就活を始めることは、選択肢を増やす以外にもメリットがある。それは経験を積めることだ。インターンの選考で落選してしまったとしても、選考対策した経験値はのちに活きる。ESの書き方や適性検査対策など、インターン対策は本選考対策に直結するのだ。「夏インターンで複数の業界の企業に20社以上エントリーする」これが近年は重要だと思う。
最後に
ここまで長々と書いてきたが、冗長な文章を読んでくれた読者の方々には感謝を申し上げたい。私は高校時代から就職活動に対して甚だしい恐怖感を抱いており、「就活を乗り越えられる気がしない」と思っていた。しかし、しっかりと選考の対策を行えば内定は取ることができると実感できた。私のように自分自身のことを社会不適合者だと思って、就活は無理だと諦めている人もいるかもしれない。でも、諦めないでほしい。選考対策などに着実に取り組めば、きっと成果は出るはず。また、大学生活の充実が、他の何よりも最大の就活対策になる。大学生は大学生活を楽しんでほしい。このブログ記事が27卒の方を始めとした就職活動中の学生の参考になれば幸いだ。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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